Online edition: ISSN 2434-2327
Print edition: ISSN 2434-2335


学術誌の新しいありかたを実験するための学術誌 Journal of Science and Philosophy (JSP)

第3巻第1号(2020年3月)

2020年3月31日 発行

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  • 日本の研究界における男女格差について ——現状分析と格差解消に向けての提言——
  • 哲学系国際誌への論文投稿に係る投稿先選定のための手引き ——哲学分野における主要な国際誌データベース情報、ハゲタカジャーナル情報、および国際誌と本邦学会誌との差異に関する試論——
  • 書評 : ケイト・マン『ひれふせ、女たち』 ( 小川芳範訳,慶應義塾大学出版会,2019 年 )
  • 科学コミュニケーションにおける構造的課題と解決策の検討 —ステークホルダー分析の必要性とその実践—

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日本の研究界における男女格差について ——現状分析と格差解消に向けての提言——

豊泉 英智 (Fred Hutchinson Cancer Research Center, Basic Science Division)
ORCID iD icon  https://orcid.org/0000-0002-6529-6346

https://doi.org/10.50857/jsp3.1.1

※本文は日本語です

Japan, perhaps unsurprisingly, has the lowest ratio of women in academia among the OECD countries at 15.3%. Low ratio of female researchers is largely due to the low ratio of STEM-pursuing female students which is also at the bottom of OECD countries. In fact a national survey revealed that it even middle school female students are biased away from STEM fields. While newly hired faculty’s ratio is promising, a high turnover rate for female scientists suggests that without much stronger support during life-events ratio of female researcher will only improve at slow rate. Combined with anti-bias training for students of all ages, support of female researchers will make Japanese academia more competitive and productive and above all, more fair and equal.

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Errata DOI:https://doi.org/10.50857/jsp3.1.1.errata

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哲学系国際誌への論文投稿に係る投稿先選定のための手引き ——哲学分野における主要な国際誌データベース情報、ハゲタカジャーナル情報、および国際誌と本邦学会誌との差異に関する試論——

田村 歩 (筑波大学)
ORCID iD icon  https://orcid.org/0000-0002-1249-324X

https://doi.org/10.50857/jsp3.1.25

周知のように、哲学を含む人文科学系の研究領域は、発展目覚ましい自然科学系への追従というかたちで変革を求められてきた。そのうちの一つに、外国語での論文執筆はもちろんのこと、国際誌への論文投稿が強く求められるようになったということが挙げられる。これまでも、外国語で論文を執筆し国内の哲学系学会誌・紀要に投稿するということは珍しくなかったが、今後は、留学経験の有無などにかかわらず海外の論文誌に投稿していくことが一般化していくものと思われる。しかしながら、現状、本邦において哲学系国際誌に論文を投稿するための情報が充分に整備されているとはいえず、論者自身、大学院在籍中に初めて国際誌へ論文を投稿した際には相当の時間を情報収集に費やさざるをえなかった。そこで本稿では、国際誌への投稿に際して論者が収集してきた情報を、哲学分野の大学院生や若手研究者が今後投稿先の国際誌を選定するときに少しでも役立つようまとめておきたい。

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書評:ケイト・マン 『ひれふせ、女たち』(小川芳範訳,慶應義塾大学出版会,2019 年)

横路 佳幸 (慶應義塾大学大学院 文学研究科 哲学・倫理学専攻)
ORCID iD icon  https://orcid.org/0000-0002-7501-5384

https://doi.org/10.50857/jsp3.1.49

[PR]

アメリカでベストセラーとなった分析的フェミニズムの著作Down Girl: The Logic of Misogyny, Oxford University Press, 2018の翻訳書が2019年11月30日に発行されました(ケイト・マン 『ひれふせ、女たち』(小川芳範訳,慶應義塾大学出版会,2019 年))。本稿は刊行された訳書に対する本格的な書評です。本書の解説はもちろん、評者によるコメント・文献案内を含んでおり、分析哲学やフェミニズムにご興味ある方必見です!

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科学コミュニケーションにおける構造的課題と解決策の検討 —ステークホルダー分析の必要性とその実践—

池上 日菜 (上智大学 文学部 哲学科)
ORCID iD icon  https://orcid.org/0000-0002-4416-5398

https://doi.org/10.50857/jsp3.1.67

本稿では科学コミュニケーションに求められる新たな役割である「ステークホルダー分析・調整機能」を取り上げ、その方法論の提案と実践を介して科学コミュニケーションの方向性を検討する。

現代では科学・技術が発展し、我々の生活と不可分になった。ゆえに、科学・技術の社会実装による社会的影響を、専門家や市民を始めとした様々な観点から検討する必要性が生じた。科学コミュニケーションは、異なる立場の意見を取り入れ、社会実装に関する意思決定の方法論を確立させることを目的とした分野である。

しかし、科学コミュニケーションの研究者は科学・技術の専門家が中心であり、人文学・社会科学系の人材や市民の視点を理解できる人材が不足している。ゆえに多様な立場の意見を取り入れるという役割を充分に発揮できていない。

そこで本論では科学コミュニケーションに「人文学的視点」を取り入れた「ステークホルダー分析・調整機能」を検討し、元来の目的を実現する在り方について考察する。

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